1. 勝浦漁港について
和歌山県の南部に位置する、風光明媚な海辺の町・那智勝浦町。
この町にある「勝浦漁港」は、はえ縄漁法による生まぐろの水揚げ日本一を誇る漁港です。
海岸線が長く、黒潮が沿岸付近を流れている天然の好漁港で、かつてはサンマやカツオ漁で栄えていました。戦後、サンマやカツオ漁の技術を活かし、まぐろ漁へと転換していきました。
2. はえ縄漁法とは
紀州勝浦産のまぐろは、「はえ縄漁法」によって漁獲された天然のまぐろです。
はえ縄漁は歴史ある漁法で、18世紀ごろ(江戸時代)から始まったとされており、
多い時には、1日で漁船1隻あたり100匹近くのまぐろを獲ることができます。
「幹縄(みきなわ)」という長い1本の縄に、短い「枝縄(えだなわ)」を50メートルほどの間隔でぶら下げ、その枝縄の先にえさ・釣り針を仕掛けたのがはえ縄です。
幹縄は50~150キロほどの長さで、枝縄は30~50メートルの長さとなっています。
えさは主にイカやサンマなどです。「はえ縄漁法」は、枝縄を1本1本ていねいに引き上げて活締めをするため、まぐろに与えるストレスが少なく、まぐろにもやさしい漁法なのです。
3. 冷凍まぐろではなく「生まぐろ」
なんといっても、紀州勝浦産のまぐろは「生まぐろ」が自慢!
そのまぐろたちは、冷凍ではなく冷水で保存され、新鮮さを保ったまま市場へと送り届けられます。通常の冷凍保存では、解凍した際にまぐろの身からうま味を含んだ水分(ドリップ)が出てしまいます。しかし紀州勝浦産の「生まぐろ」はすべて生の状態なので、弾力のあるもっちりとした食感と、うま味を十分に含んだまぐろ本来の美味しさが味わえます!
また「まぐろ」と一言で括っても、一本一本で味や質、鮮度などが異なるむずかしい魚です。
勝浦地方卸売市場では、冷凍ではない「生の状態のまぐろ」の競り(入札方式)が行われています。長年の経験を積み重ねた目利きのプロが見極め、より良いまぐろを選別してゆき、落札されます。
その後、熟練の技術をもった職人たちにより、手作業ですばやく解体されていきます。
漁法だけでなく、まぐろの選別や取り扱いについても那智勝浦ならではの技術・経験を用い、「新鮮さ」のこだわりが詰まったまぐろになっているのです。
4. 「まぐろの町」那智勝浦町ならではの味わい方
勝浦漁港周辺では、たくさんのまぐろ料理店がならんでいます。
新鮮な生まぐろを味わっていただけるお刺身・まぐろ丼はもちろんのこと、こんがり焼いたまぐろステーキや、ジューシーなまぐろカツなども人気です。ほかにも、紀州勝浦産生まぐろを使用したご当地ピザやラーメンなど、「まぐろの町・那智勝浦町」でしか食べられないメニューがたくさんあります!
また町内には、ビンチョウをはじめとしたさまざまな種類の生まぐろがワンコインで購入できる「セルフ直売所」が存在し、気軽に生まぐろを買うことができます。お刺身はもちろん、中落ちやせせり、切り落としなどバラエティに富んだ部位が販売されていますので、ぜひお気に入りを見つけてみてください♪これもまぐろの町ならではの楽しみ方です!
まぐろの町・那智勝浦町で、様々なまぐろを楽しんでみませんか?